マーチ・スーパーターボのフォグライトの交換


夜間の走行をより安全にするためにヘッドライトを明るくしようと思い、HID(ディスチャージ式のキセノンランプ)を装着してみた。多少明るくなったがまだ明るさは満足できなかった。
さらにHIDで問題なのは、点灯してから照度が上がるまでにわずかなタイムラグがあることで、タイムラグは夜間走行には問題がないが、昼間のパッシングが出来なくなり不自由なので、当初のヨウ素球に戻した。
その代わりに強力な補助前照灯を取り付けることにした。
マーチ・スーパーターボの補助前照灯は、薄型でレンズのカットからもフォグライトであり、当然ながら短い距離しか照射しない。そこで高速でのドライブに適した補助のドライビングランプを取り付けることにした。
ドライビングランプは通常のハイビームと同様の配光パターンで、スボットランプというのはもっと狭い部位を集中的に照らすランプであり、フォグランプは左右の広角度に光が広がるが、水平以下にのみ光が拡散するように設計されたランプである。

マーチ・スーパーターボのグリルのフォグライトの取り付け部位のサイズは直径おおよそ16センチである。市販のライトは大型のものが多く、マーチのグリルに合うサイズはなかなか見つからない。
市販のランプの中で、シビエのミニオスカー(外径156、奥行き91)というのがサイズ的に何とかマーチのグリルに収まる最大のサイズであると思われた。シビエのミニオスカーはオスカーの姉妹機種として市販されていたもので、オスカーと同様にダブルフィラメントのH4のヨウ素球が使用されており、ドライビングとフォグに切り替えて使い分けることが出来る優れたランプである。
ミニオスカーは前期型と後期型があり、後期の品がやや小さく、マーチ・スーパーターボに装着するには後期型が最適である。前述の外径156、奥行き91というのは後期のサイズであり、前期型は外径も奥行きもそれぞれ5ミリほど大きい。
前期型はランプの周囲のグリルがメッキでボディはベージュ色に塗装してある。後期型は黒色の縮み塗装である。後期型はイノックスとも呼ばれることがある。
今回の装着にあたり、元色は黒色の縮み塗装に上にマーチの純正ホワイトで塗装した。
マーチ・スーパーターボのグリルを外すと、ちょうど標準のフォグランプの真下の位置に10ミリ近い穴がある(プラスチックのパンバーに隠れているが、バンバーレインフォースの鉄板には穴が開いている)のでこの穴を利用しても良いし、さらに数ミリ奥に穴を開けても良い。今回は数ミリ奥に新たに穴を開けて装着した。
ミニオスカーの基台部分には台座となる座金と、締め付け用のワッシャーが3枚ある。本来は台座を上にして下から座金を3枚当てて締め付けるが、そうするとランプのボディの位置がやや上になり、グリルと干渉するので、本当は好ましくないが、座金を取り去って締め付けると、ピタリとグリルに収まった。(バンバーレインフォースを少し叩いて凹ませれば良かったとあとになって気づいた)

正面から見た画像。シビエのミニオスカーのレンズは無色だが、ヨウ素球に黄色のカバーが装着されているので反射して黄色に見える。


横から見るとシビエのミニオスカーの方がやや出っ張っているが、意外と違和感がない。
バンパーのレインフォースに元々開いていた穴を使って装着するとレンズ面はこの画像より10ミリほど前に出る。


シビエ製のオプションの配線キットはスイッチとリレーと、ヒューズがセットになっており、3接点のスイッチで片方に倒すとドライビングが点灯、中立で消灯、反対側に倒すとフォグを点灯させるようになっている。
独立した切り替えスイッチを使っても良いが、配線をするときに、ヘッドライトのハイビームとドライビングライトが同時に点灯し、ビームを下げたとき(ロービーム)にフォグが点灯するように結線しても良い。
シビエのミニオスカーを装着した結果、明るくて夜間走行が安全になった。 ミニオスカーは最近はオークションでしか入手できないが、ミニオスカーは汎用の丸型4灯式ライト(通称φ130、5インチ3/4)の規格レンズを使用しているので、シビエの丸形4灯ヘッドランプのロービーム側やボッシュのBHL-L-P、国産ではスタンレーのH4付き丸型4灯式レンズユニット(品番001-3061)などを使用して金具を工夫してグリルに装着すると良いと思う。
他にボッシュのPILOTという黄色フォグ(品番PF-160Y-SN)は直径160mmなので装着が可能かも知れない。 サイズは小さいが、シビエ・ビサージュvisage V(外径129mm H3)なら容易に装着できる。
ただし、ボッシュのPILOTもシビエ・ビサージュvisage VもH3のシングルフィラメントのヨウ素球であり、ドライビングとフォグの兼用機ではない。 シビエからオスカーシリーズとしてスーパーオスカーやオスカーコンペなど性能の良いダブルフィラメントの大型ランプがいろいろと市販されているが、スーパーターボに装着するにはマーチRのようにバンパーをカットし、ステーを自作する必要があり、細工が大変である。

スポット・ドライビング・フォグライトは霧の多い欧州の製品が歴史的に優れている。有名なメーカーとしてはフランスのシビエCIBIEの他にマーシャルMarchal、イタリアのキャレロCarello 、ドイツのヘラーHella、ボッシュBosch、英国のルーカスLucas、レイヨットRaydyotなどのブランドが有名である。国産ではPIAAなどがあるが、反射鏡の精度などではまだ欧州製に劣るような気がする。


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